進行度と治療限界手遅れはあるのか

投稿日2021年1月19日 投稿先 男性化粧品

AGA治療は「完全に手遅れということはない」と述べましたが、治療を開始する時点での「進行度」によって、期待できる効果のレベル、つまり「治療の限界」が存在するのは事実です。どの段階で治療を始めれば、どこまでの改善が見込めるのか、その現実を知っておくことは重要です。AGAの進行度は、ハミルトン・ノーウッド分類などで評価されます。初期段階(Ⅱ型~Ⅲ型程度)であれば、毛根(毛包)の機能はまだ比較的保たれているため、薬物療法(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど)に対する反応も良く、進行抑制はもちろん、発毛効果による顕著な改善も期待できます。この段階で治療を開始するのが最も効果的です。中期段階(Ⅳ型~Ⅴ型程度)になると、薄毛がはっきりと認識できる状態です。この段階でも薬物療法による進行抑制や現状維持は十分に可能です。また、毛根の機能が残っていれば、ある程度の改善(髪が太くなる、密度が少し増すなど)も見込めますが、初期段階ほどの回復は難しくなってきます。治療目標は、進行を止め、可能な範囲での改善を目指すことになります。進行期(Ⅵ型~Ⅶ型程度)では、広範囲に薄毛が広がり、毛包の多くが縮小・退化してしまっている可能性が高くなります。この段階では、薬物療法だけで目に見える発毛効果を得るのは非常に困難になります。治療の主な目的は、残っているわずかな髪を守ること、あるいはこれ以上の完全な脱毛を防ぐことになります。薬物療法の「限界」が見えてくる段階と言えるでしょう。では、進行期は「手遅れ」なのでしょうか?薬物療法による「発毛」という点では、限界が近いかもしれませんが、完全に諦める必要はありません。まず、薬物療法でも「進行抑制」の効果は期待できます。また、この段階で見た目の改善を強く望む場合の選択肢として「自毛植毛」があります。自毛植毛は、毛根が生きている後頭部などから毛髪を移植するため、毛根が機能しなくなった部位にも髪を生やすことができます。ただし、費用が高額になるなどのデメリットもあります。つまり、AGA治療には進行度に応じた限界はありますが、「完全に打つ手がない」という状況は稀です。どの段階であっても、専門医に相談し、現状で可能な最善の選択肢(薬物療法、植毛、あるいは髪型でのカバーなど)について話し合うことが大切です。