薄毛初期と遺伝の関係性とは

投稿日2021年10月14日 投稿先 薄毛

「親が薄毛だから、自分も将来薄毛になるのでは…」このような不安を抱えている方は少なくないでしょう。薄毛、特に男性型脱毛症(AGA)において、遺伝が大きな要因の一つであることは医学的にも広く認識されています。では、具体的に薄毛の初期症状と遺伝はどのように関係しているのでしょうか。まず理解しておくべきは、薄毛になりやすい体質、つまりAGAを発症しやすい遺伝的素因が親から子へと受け継がれる可能性があるということです。具体的には、男性ホルモン(テストステロン)をより強力な脱毛作用を持つジヒドロテストステロン(DHT)に変換する酵素「5αリダクターゼ」の活性度や、DHTを受け取る「アンドロゲンレセプター」の感受性の高さなどが遺伝によって左右されると考えられています。これらの遺伝的素因を持っていると、持っていない人に比べてAGAを発症しやすく、また薄毛が進行しやすい傾向があります。特に、母方の家系に薄毛の人がいる場合、AGAの発症リスクが高まると言われています。これは、アンドロゲンレセプターの遺伝子がX染色体上に存在するため、母親から受け継ぐX染色体の影響が大きいとされるからです。しかし、遺伝的素因を持っているからといって、必ずしも薄毛になると決まっているわけではありません。遺伝はあくまで「なりやすさ」であり、発症の時期や進行度には個人差があります。また、遺伝以外にも、生活習慣(食生活、睡眠、ストレス)、頭皮環境、ホルモンバランスの乱れなど、様々な要因が複雑に絡み合って薄毛は進行します。したがって、遺伝的背景がある方でも、早期から適切なケアや対策を行うことで、薄毛の発症を遅らせたり、進行を緩やかにしたりすることは十分に可能です。薄毛の初期サイン、例えば抜け毛の増加、髪質の変化(細くなる、コシがなくなる)、生え際の後退、頭頂部の地肌の透け感などに気づいたら、遺伝的要因を疑うと同時に、まずは専門のクリニックを受診することをおすすめします。医師による診断を受けることで、自分の薄毛の原因が遺伝的なものなのか、それとも他の要因が強いのかを把握することができます。そして、その原因に応じた適切な治療法や予防策を講じることが、薄毛の進行を食い止めるためには非常に重要です。遺伝という変えられない要素があったとしても、諦める必要はありません。