高額なオプション治療は本当に必要か
クリニックのカウンセリングに行くと、基本的な内服薬のほかに、高額なオプション治療を勧められることがあります。代表的なのが「メソセラピー」や「ハーグ療法」と呼ばれる、頭皮に直接成長因子やミノキシジルを注入する治療法です。これらは一回あたり数万円から十数万円もし、1クール(6回〜12回)で契約すると数十万円から百万円を超えることもあります。「早く効果を出したいなら絶対におすすめです」「内服薬だけでは限界があります」といったセールストークに押され、断りきれずに契約してしまったという方もいるでしょう。しかし、冷静に判断する必要があります。これらの注入治療は、あくまで内服薬の効果を補助し、発毛のスピードを加速させるための「ブースター」的な役割が強いものです。 日本皮膚科学会のガイドラインでも、内服薬や外用薬は最高ランクの推奨度Aとされていますが、注入治療に関しては推奨度が下がります。つまり、多くの患者にとっては、内服薬と外用薬の継続だけで十分な効果が得られる可能性が高いのです。注入治療が必須なのは、内服薬の副作用が強くて飲めない人や、短期間で劇的な変化を求められる特別な事情がある人などに限られます。予算に余裕があり、少しでも早く生やしたいという強い希望があるなら良い選択肢ですが、無理をしてローンを組んでまで受けるべきものではありません。まずは基本の薬だけで半年から一年様子を見て、それでも効果に満足できない場合に初めて検討する、というステップを踏むのが賢明です。不安を煽るような営業トークに惑わされず、自分の財布と相談しながら、身の丈に合った治療プランを選択する勇気を持ってください。